2018年11月20日更新
「アレルギーと副作用って何が違うの?」
黒にんにくといった健康食品にも加工されるにんにくですが、中にはにんにくを食べると体を壊してしまう方がいます。
しかし、それは、にんにくに対してのアレルギーなのでしょうか、それとも食べ過ぎなどによる副作用なのでしょうか。
この記事では、にんにくを食べたときに起こるアレルギーと副作用の違いについてご説明します。
アレルギーとはどのようなものを指すのでしょうか。
体の中には、有害物質やウイルスを排除する免疫の働きをもった免疫細胞と呼ばれる細胞があります。
白血球などがその代表的な例です。
通常の免疫の仕組みは、食物を摂取したときはこの免疫反応は起こらず体に食物が吸収されるのですが、まれに体が食物を異物として誤って判断し、体の様々な場所に異常をもたらすことがあります。
これがアレルギー反応と呼ばれるものです。
このきっかけとなる食物の成分をアレルゲンと言います。
にんにくを食べたときに目が充血したり、呼吸系に問題が出た場合、アレルゲンが体内に含まれているということになります。
アレルギーとは違う副作用とはどのようなものでしょうか。
結論を先に言ってしまうと、にんにくを食べることによって副作用が生じることはありません。
にんにくは食品であり、健康に良いとされる黒にんにくに加工したとしてもそれは変わりません。
副作用とは、副次的に発生する作用です。
そのため、特定の効果を狙った医薬品などを体に取り込んだ時に起こる期待されていない作用のことです。
特定の作用を目指していない食品であるにんにくには副作用はありません。
にんにくに対してアレルギーがあるわけではないし、副作用もないならたくさん食べたほうが健康に良さそう。
こう思われるかもしれませんが、それは誤解です。
副作用がないからといって食べ過ぎると体に健康被害を引き起こす可能性があります。
にんにくは元来香辛料として扱われてきたこともあり、刺激が強い食品です。
食べ過ぎると体、特に胃が痛くなることがあります。
にんにくの持つ抗酸化作用は適度であれば健康をサポートしてくれる強い味方なのですが、これも大量に摂取すると下痢などを起こしてしまいます。
にんにくは食品ですのでアレルギーはあっても副作用はありません。
しかし、食べ過ぎると、せっかく健康のために食べていても体の毒になってしまいます。
一日の適量を守り、にんにくの健康効果をしっかり受けられるようにしましょう。
2018年11月18日更新
「生だと香りが気になるから加熱したいけど、加熱後の栄養に変化はあるの?」
こんな疑問を持っている方もいるのではないでしょうか。
栄養価が高いことから、健康食品としても人気を高めているにんにくですが、調理のときに加熱をすると栄養に変化があるのでしょうか。
この記事では、加熱によるにんにくの栄養の変化についてご説明します。
アリインはにんにくの持つ栄養素の代表格です。
これには疲労回復、滋養強壮などの効果があり、にんにくが元気の源と呼ばれる所以でもあります。
すりおろしたりみじん切りのように切り刻み、空気に触れることでアリシンという成分が発生します。
これはビタミンB1とくっついてビタミンB1が体に吸収されるのを手助けします。
アルギニンという栄養素の名前は聞いたことがあるという方が多いのではないでしょうか。
最近販売されているエナジードリンクや栄養ドリンクに含まれているイメージのあるこのアルギニンですがにんにくにも含まれています。
このアルギニンにはホルモンバランスの調整といった効果があります。
カリウムもよく聞く栄養素ですよね。
体の中から余分な水分を排出してくれます。
むくみや高血圧を予防してくれる働きがあります。
上記のような栄養素を含んだにんにくですが、生で食べるのは苦手だという方は加熱調理し、食べやすくするという方もいると思いますが、失われてしまう栄養素もあるのです。
生のにんにくに含まれるアリナーゼという成分が空気に触れることによって、アリインをアリシンへと変化させることができます。
そのため、このアリナーゼという酵素物質はにんにくの栄養にとって非常に大きな意味を持ちます。
しかし、これは加熱すると破壊されてしまいます。
実は、加熱すると匂いの弱まるにんにくですが、その匂いの理由はアリシンです。
加熱により消えていたのは匂いだけでなく、アリシンだったのですね。
にんにくは多くのビタミンを含みます。
このビタミンの中にも熱に弱いものがあり、加熱によりゼロにはならないものの大幅に減少してしまいます。
熱に弱いビタミンの代表格といえばビタミンCでしょうか。
美肌などに効果のあるビタミンCですが熱には弱いのです。
ビタミンB1も加熱により吸収が難しくなります。
アリインから変化したアリシンにはビタミンB1とくっつく特性があったのですが、熱によってアリナーゼが破壊されるため、それもうまく機能せず結果的にビタミンB1も損なわれてしまいます。
加熱調理によって損なわれてしまう栄養素があるということがお分かりいただけたかと思います。
それでも生のにんにくの匂いや味が苦手という方には、にんにくを熟成させた黒にんにくというものがおすすめです。
長期間の熟成で匂いがなくなるだけでなく、栄養価も増していますので、一度試されてみてはいかがでしょうか。
2018年11月16日更新
一房単位で売っていることの多いにんにくですが、薬味やスパイスとして料理に使うことが多いため、一度に使い切ることはなかなか難しいですよね。
一度皮を剥いたにんにくはそのままでは数日ほどしか持ちません。
そのまま焼いたり、皮ごと揚げたりして消費する方法もありますが、食べ過ぎると胃に良くないため、一度に多く食べられるものではありませんよね。
そこで今回は、にんにくを長期保存する方法をご紹介したいと思います。
にんにくは、外皮を剥いてそのままにしておくと数日で芽が生えてきてしまいますが、工夫次第では冷蔵庫の中で長期保存することができます。
使いかけのにんにくの外皮をすべて剥いてしまい、1片ずつていねいにキッチンペーパーで包んであげましょう。
ここで注意が必要なのはまとめて包むのではなく、一つ一つ包んであげることです。
水分は長期保存の大敵です。
ここで手を抜かず一つ一つ包むことで、冷蔵庫の中でも2、3ヶ月もたせることができます。
一つ一つていねいにキッチンペーパーで包んでの冷蔵保存が手間だという方は、冷凍保存がおすすめです。
冷凍庫は乾燥しており、冷凍すると腐ることもないため、外皮を剥いてばらばらにしてまとめて冷凍庫に入れておくだけで保存することができます。
もう一手間加えられるという方は、あらかじめ料理で使いやすいように切って冷凍するのもおすすめです。
刻みねぎのように、使いたいときに取り出してすぐ使えるように、普段の料理に使う輪切りやみじん切りにして冷凍しておきましょう。
冷蔵庫で保存といったシンプルな保存方法もありますが、料理好きの方におすすめしたいのが加工保存です。
にんにくを加工して保存する方法は様々あります。
直接醤油漬けにしたり、合わせてにんにく醤油という調味料にしても良いですね。
その他にも、にんにく卵黄、にんにく味噌などがあります。
変わり種だとオリーブオイルに漬けるというものがあります。
こうすることにより、パスタに使いやすかったり、そのまま食べてもお酒のおつまみになります。
人気の黒にんにくも家庭で作ることができます。
なかなか一度に使い切ってしまうことが難しいにんにくですが、工夫次第では様々な保存方法があります。
特に、最後にご紹介した加工して保存する方法のバリエーションは非常に豊富です。
ぜひこの記事を参考に、自分に合った保存方法でにんにくを美味しくいただきましょう。
2018年11月15日更新
健康に良いとは知っていても強烈な匂いからにんにくを敬遠されているという方は少なくないと思います。
しかし、にんにくには様々な健康効果があり、匂いもその理由の一つです。
今回は、にんにくが持つ効果の一つである抗菌作用について見ていきましょう。
形も特徴的なにんにくですが、その最たる特徴はやはり匂いでしょう。
なぜあんな強い匂いを放つのでしょうか。
実は、あの匂いは非常に重要なもので、外敵から身を守るための自衛の手段なのです。
虫がにんにくをひとかじりすると、そこからその部分にある成分のアリインが空気に触れたアリナーゼという酵素物質の作用によってアリシンに変化し、これが強烈な匂いを発生させます。
このアリシンの匂いに虫は驚き退散し、アリシンは傷口の殺菌までを行います。
その後、役目を終えたアリシンはジアリルスルフィドに分解されていきます。
これにも抗菌作用があります。
酵素の働きによってアリインが変化したアリシンは、にんにくを外敵から守るための成分だとお伝えしました。
これは、実は、私たちが食べてもその恩恵を受けることができるのです。
その力は体内だけでなく皮膚などといった体外でも抗菌作用が働きます。
具体的なアリシンの抗菌効果としては、ウイルスはもちろんのことチフス菌、淋菌、コレラ菌、サルモネラ菌などの病原菌に対して有効であることが確認されています。
このアリシンが分解されてできるジアリルスルフィドという物質にも抗菌作用があり、カビや細菌の成長を阻害します。
普通に食べても抗菌作用を得られますが、どうせならもっと抗菌作用を高めたいですよね。
そのためにはどのようにすればいいのでしょうか。
にんにくの抗菌の有効成分であるアリシンはにんにくの自衛のための手段です。
アリシンは傷をつけるとたくさん発生します。
そのため、最適な調理法はすりおろしやみじん切りなど細かくすることです。
これにより、にんにく内のアリナーゼが空気の中の酸素と反応し、アリインをアリシンに効率よく変換してくれます。
今回は、にんにくの抗菌作用についてご説明しました。
にんにくの匂いが強烈だなと思われていたかもしれませんが、あの匂いには重要な意味と役割があったとは驚きですよね。
今度にんにくを食べてちょっと匂うなと感じた時には、今回ご紹介した匂い成分による抗菌作用を思い出してみてくださいね。
2018年11月13日更新
「国産のものより安いから中国産のものを買おう」
みなさんこんな経験はありませんか?
国産品の食品の方が品質は信頼できるけれど、価格から中国産を選ぶという方も多いのではないでしょうか。
それは、黒にんにくにも当てはまります。
そこで今回は、黒にんにくの青森産と中国産の違いをご紹介します。
中国は、安く大量に作る技術が非常に優れている国です。
にんにくも安く大量生産を実現しています。
そのため、スーパーではにんにくが3つセットでおよそ100円、安いところでは70円ほどで売られています。
一粒およそ30円といったところです。
一方、田子にんにくでも有名な青森産のものは一房150〜300円で売られています。
その金額は中国産のものと比較すると5倍以上あります。
こんなにも金額の差が見られる青森産と中国産のにんにくですが、違いはなんなのでしょうか。
見た目からわかる違いを見ていきましょう。
まずは大きさです。
中国産のものは青森産のものと比較すると細く、長い形をしています。
それに比べ青森産のものは一粒が大きく、丸みを帯びています。
そのため、中国産のにんにくが12粒ほどで一房が構成されているのに対し、青森産のにんにくは6粒ほどで構成されています。
スライスしてみても青森産のほうが密度が高く、ぎっしりしています。
反対に中国産は、密度が薄くスカスカした印象を受けることでしょう。
上記のような違いがある2つのにんにくを黒にんにくにするとどのような違いがあるのでしょうか。
黒にんにくは、生のものを元にして作られているので、その味にはにんにく本来の味が影響します。
中国産のにんにくは糖度が33度と低く、辛味が強いため、刺激が強く、「えぐみ」が出てしまいます。
青森産のにんにくは、徹底した品質管理によって糖度が43度ほどあり甘みが強く、辛味もありますが、マイルドな辛味を実現しています。
そのため、黒にんにくにしても刺激が弱く食べやすいでしょう。
また、栄養価も青森産のものの方が高いです。
形の違いも黒にんにくにした時に影響します。
黒にんにくは皮を剥いて食べますよね。
そのとき、一粒が大きい青森産のもののほうが比較的食べやすいです。
今回は、にんにくの青森産と中国産での違いをご紹介しました。
糖分や辛味、大きさなどに違いがあることが分かりました。
生ニンニクの品質が黒にんにくに違いをもたらすので、黒にんにくをご購入の際は食べやすい青森産のものを選ぶようにしてみてはいかがでしょうか?